『晴れた空に』朗读材料,大家多读~~!!有兴趣的孩纸来翻译!
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『晴れた空に』朗读材料,大家多读~~!!有兴趣的孩纸来翻译!
『晴れた空に』 あきよしプロデューヌ
N 2人の出会いは、ものすごく天気の良い日のことだった。
街は活気づいていて、商人たちが陽気に声を張り上げている。
その商店街を、真っ青な服を着た少年がひとり、むすっとした顔でズンズン歩いていた。
腰帯には、丈夫そうな傘が一本、刺さっている。
彼の名は「レイン」。この街において、村長の次に有名な少年である。
少年 「んぁあ~!何なんだよ村長の野郎!こんな晴れた日におれを呼び出しやがって!
馬車くらい用意させろっての、ったく」
N そんな彼のあとを、村長の秘書がスタスタ追いかける。
秘書 「申し訳ありません、レインさま。街はずれからわざわざお呼び出ししてしまいまして……。
しかし、晴れなんて久々でございましょう?」
少年 「久々どころか、おれがこんな雲ひとつない空の下を歩ける日が来るなんて、生涯ないと思ってた」
N レインは変わった力を持っていた。
そこに居るだけで、雨を呼び寄せてしまう力。
この街は昔、雨の全く降らない厳しい乾燥地帯であったが、
村長がレインを連れて来てからは雨天に恵まれ、おかげで目覚ましく発展した。
しかし、困った事に、今度はなかなか晴れなくなってしまったので、
やむなくレインの居住は街から少し離れた場所へ移されたのであった。
そうして今では天候が安定し、彼は大きな祭典の時期にしか街へ顔を出さなくなっていた。
この日は、村長に呼び出されしばらくぶりに街へ下りたのだった。
秘書 「レインさま。ただいま村長を呼んでまいりますので」
少年 「あぁはやくしてくれ」
N ――数時間後。
レインは自分の家に戻っていた。
一人暮らしの家の中に人影が2つ。ひとつはレインのもの、
もう一つはオレンジ色の髪の、可憐な少女から伸びる小さな影であった。
先程、村長に無理やりその少女と馬車に乗せられて、半ば強制的に家まで運ばれたのだ。
ムスッとした表情で互いに押し黙っていたが、しばらくして面倒くさそうにレインの方から口を開いた。
少年 「とりあえずさ、アンタ、名前は?」
N 彼女は固く口を結んだまま、一枚の手紙をレインへグイと押しつけた。
それは村長からレインへ宛てて書かれたものであった。
少年 「おれ宛て?わざわざ手紙にするんじゃなくて、口頭で言えよな、あのクソじじい!
…えっと?よー元気かレイン…今回はお前に頼みたいことがある。
しばらく女のコを預かってほしい。名前はファインちゃんだ。
萌え萌えきゅんきゅんなかわいこちゃんだが、変な気を起こさず、しっかり面倒見てやってくれ。
諸事情でお前にしか頼めないんだ。困ったことがあればワシの秘書に言ってくれればいい。
――偉大なる村長より…」
N レインは読み終わった手紙をクシャリと丸めてポイと投げ捨てると、そのファインという少女に目をむけた。
少女の方は顔をそむけ、部屋の隅をじっと睨んでいる。すごく無愛想だ。
ふと時計を見ればちょうど昼時だったので、レインは昼食を作ることにした。
少年 「お前も喰うか?」
少女 「……ぃぃ…」
少年 「作ってやるから喰えよ」
N レインは慣れた手つきで調理を始め、1分もたたないうちにテーブルの上には昼食らしきものが置かれた。
それは誰がどう見ても、卵かけご飯であった。
ここで少女が初めてはっきりした口調でこう言った。
少女 「これ、料理じゃないよ」
少年 「何言ってんだ。料理だろ。おれは3食大体これだぞ」
少女 「…!?ひどい」
少年 「はぁ?!文句言うなよ、よくわかんねぇけど、正直村長の頼みじゃなきゃ、
誰ともしらねぇ奴の面倒なんてゴメンなんだからな」
少女 「こっちだって好きでここにいるわけじゃない。(よりにもよってこんな散らかった家…)」
少年 「お前チビのくせに生意気だな」
少女 「チビは関係ない。それと、食事は自分で作ります」
少年 「あぁそうかもう勝手にしろよ!」
N それから、レインとファインの共同生活が始まった。
お互い、最初は険悪オーラを全面に出していたが、レインの私生活があまりに酷いのを見かねたファインが、
家賃の代わりだと、レインの分の食事も作るようになり、散らかっていた部屋もキレイにした。
レインはと言うと、世話するはずが逆に世話になってしまい、それじゃぁ面目が立たないという事で、
本が好きだというファインへ自分の持っている本を貸してあげたりした。
こうして、2人は徐々に親しんでいった。
そしていつも雨ばかりだった街外れ周辺は、晴れ間が出るようになっていた。
しかし、ファインが家にきてから1カ月ほどがたったある日のこと・・・。
少年 「いいって、危ないから!怪我したらメンドーなんだよ!ファインはそっちで本でも読んでろよ」
少女 「だって私が割っちゃったんだし…」
少年 「いいから、花瓶なんてまた新しく買えばいいんだからよ」
少女 「だけど…」
少年 「うるせぇな!黙ってどっか行ってろっつってんだよ!!
預かってるお前を怪我させちまったら、村長にあわせる顔がねぇだろ!」
少女 「何よ…」
少年 「とりあえず邪魔。今日は晴れてるし、この間植えた花にでも水あげててくれ」
少女 「わかった、出てく」(ドアSE)
N しばらくして割れた花瓶の片づけを終えると、外から雨音が聞こえ始めた。
しかし、ファインは戻ってこない。家の周りを探しても姿が見当たらない。
少年 「ファインのやつ、いったいどこ行ったんだよ、ったく…」
N それからレインは自分から街へ下りてファインを探した。けれど、結局彼女は見つからなかった。
街はいつの間にか土砂降りの雨になっていた。(雨SE)
そうして、ファインが居なくなってから3日が経った。激しい雷雨の中、レインの家へ村長の秘書が訪ねてきた。
秘書 「はぁ、はぁ、レインさま、村の者がファインさまを、隣町で目撃したとのことです」
少年 「隣町って、ファインが前に住んでたとこだな?!」
N レインは愛用の傘をひっつかんで、秘書の乗ってきた馬車に乗り込みファインの元へ急いだ。
何時間か掛かって、隣町へ行くと、その少女はあっさり見つかった。
彼女は誰かの結婚式をこっそりと眺めていた。
少年 「おい。何やってんだよ」
少女 「え?…れ、な、何でこんなとこに?」
少年 「それはこっちの台詞だ、ばか。すげぇ心配したんだからな…」
少女 「え。で、でも、私なんかいない方がいいのかなと思って…」
少年 「そんなわけねーだろ!ったく、ほんとに…よかったよ、見つかって」
少女 「そんな顔しないでよ。ごめん。ちょっとしたホームシックもあってここに来てたの」
少年 「ホームシック?」
少女 「実はね、この結婚式、うちのお兄ちゃんが新郎なんだ」
少年 「お前、兄弟いたのか…」
少女 「うん。私のたった一人の家族だった人。今までで一番幸せそうな顔してる」
N そういって明るく笑うファインの目から、ポトリと涙がこぼれた。
少年 「・・・雨が降ってきたな」
少女 「え?雨なんてふってないよ?」
N レインは持っていた傘を彼女に差すと、そっと彼女の頬を拭った。
少年 「さ、俺たちの家に帰ろうぜ」
N そして街外れの家まで戻る馬車の中、ファインは自分のことについて、初めてレインに語ったのであった。
少女 「私もね、レインと同じように天候を変えてしまう力があるの。
気づいてたと思うけど…。
そのせいで私の故郷は晴れが続いて、深刻な水不足になってしまって。
だから、仕方なく私はたった一人の家族である兄と故郷を出たの。
でも行く先々の天候を晴れにしてしまうから、長く同じ街に居られない生活が続いてね。
…そんな旅の中、ある街で、兄がある女の人と恋に落ちてしまったの。
私、すごく悩んだけど、その街に兄を残して、自分だけで旅を続けることに決めたんだ。
その矢先、レインの街の村長に会って、貴方に引き合わせてくれたの。
正反対の力を持つ者同士、中和されるのでは、って」
少年 「そうだったのか。
道理で俺んちの周りで雨が少なくなるわけだ。俺がいるのに」
少女 「それでね。そんなわけだから私、レインと初めて会ったときすっごい荒んだ気持ちだった。
お兄ちゃんと別れなきゃならなかったのが悔しくて。
ツンツンしてて迷惑だったと思うけど」
少年 「まー、それはお互いさまだっただろ」
少女 「クス。確かに。……ねぇレイン。探しにきてくれてありがとう。
驚いたけどすっごい嬉しかった!」
少年 「お礼をいいたいのは俺の方だ。
俺たちってさ、もしかしたら出会うべくして出会ったのかもな」
少女 「それって運命ってこと?」
少年 「そうはっきり言われると恥ずかしいんだけど・・・」
少女 「何でよ!男ならズビズバッと言うべきでしょ!
ずっと一緒にいてくれないかとか!」
少年 「はぁ?!何だよそれ!俺にそんなこと言えるか!キャラじゃねーし!!
ったく…それより腹減ったかも」
少女 「キャラって何それ!レインそれでも男の子?まぁいいや。家に着いたら何か作るね」
少年 「あぁ、そうしてくれるとありがたい」
少女 「そうだ、レイン。これからレインの食事は一生私が作ってあげる」
少年 「…ファイン、それって逆プロポーズか……?」
N 雨の日も、晴れの日も、
いつだってきっと楽しい日になるに違いない、2人一緒なら。
少年 「あっ、ファイン!ちょっと外見てみろよ」
少女 「え、何で?何かあった? ……… わぁ!すごい!」
N 長く降り続いた雨はすっかり止んでいて、晴れ渡る空に七色の虹が架かっていた。
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